FX一目均衡表の「遅行スパン」「先行スパン1」「先行スパン2」

2014年10月28日 20:09
FX一目均衡表の3つ目のラインが「遅行スパン」(遅行線)です。このラインは少し変わっていて、現在の足の終値を26本分さかのぼって過去の位置に記入します。平均価格や高値や安値を使うわけではなく、単純に終値をさかのぼって記入するだけのとてもシンプルなラインです。
 
言い方を換えれば「期間を1に設定し、マイナス26本表示移動させた単純移動平均線」ということでもあります。
 
遅行スパンは見方もシンプルで、「遅行スパンがローソク足より上にあれば強い相場」ですし、「遅行スパンが口-ソク足より下にあれば弱いFX相場」です。
 
現在の値が26本前より上がっていれば、遅行スパンはローソク足の上側にあるわけで、上昇していることが示されます。逆に、現在の値が、26本前より下がっていれば、遅行スパンはローソク足の下となりFX相場は下落だとわかります。
 
遅行スパンの性質を利用すると、ローソク足数本から20本くらい先までのシナリオを描きやすくなります。遅行スパンがローソク足を上抜けたら、まず価格が上昇して、それとともに遅行スパンも上がり、ローソク足より上に位置するから、強気相場への転換だ、というシナリオが描けます。
 
また、右端の現在の価格付近のまま横ばいの動きが続くと、遅行スパンも横ばいのまま推移します。すると、あと10本もこのままの動きで進むと、遅行スパンとローソク足の関係はどうなるでしょうか。
 
遅行スパンはローソク足を上抜ける形となります。つまり強気相場の再開のシナリオが描けることになります。
 
FX一日均衡表の残り2つのラインが「先行スパン1」と「先行スパン2」です。先行スパン1が基準線と転換線の平均、先行スパン2は過去52本分の最高値と最安値の平均を、それぞれローソク足26本分、先行させて表示させます。この先行スパン1と2で囲まれた地帯は「雲」と呼ばれ、「抵抗帯」として見ることができます。
 
先行スパン1と2の位置関係を見る考え方もありますが、「三役好転」「三役逆転」で使うのは、ローソク足と雲の関係です。「ローソク足が雲を上に抜けてくると強気相場」で、「ローソク足が雲の下へ抜けてしまうと弱気相場」です。
 
ローソク足が雲の中にあるときは方向性がはっきりせず、また遅行スパンが雲の中にあるときも不安定な値動きとなりがちです。
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